背景幕とは演劇やミュージカルの舞台、ライブ、撮影などで使用される幕のことです。
以前は無地の布をそのまま使用したり、布に手書きする手法が一般的でした。
しかし最近ではインクジェット印刷で製作した背景幕もみられるようになりました。
インクジェット印刷はデジタルデータを用意すれば簡単に製作できますが、生地や加工は選ばなくてはいけません。
特に生地選びを間違えてしまうと、イメージ通りにならなかったり、思ったより早く劣化してしまうこともあります。
本記事ではインクジェット印刷で製作する背景幕に焦点をあてて、生地の選び方や加工方法、注意点などをご紹介します。
それではみていきましょう。
背景幕とは
冒頭でもお伝えしましたが、背景幕とは演劇やミュージカルの舞台、ライブ、撮影などで使用される幕のことです。
名前の通り背景に使われる幕で、背景布やバックスクリーンと呼ばれることもあります。
背景幕は主に、使用する場所の背景全体を彩る役割を担います。
そのため大きさは数メートルから数十メートルといった大判サイズで製作するケースが多いでしょう。
背景幕には無地のものから、布に手書きしたもの、印刷したものなどがあります。
特に最近では印刷した背景幕が多く使用されてます。
印刷にはインクジェット印刷が活用されていますが、なぜインクジェット印刷で製作されるようになったのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
1枚からでも簡単に印刷できる
まずは1枚からでも簡単に印刷できることです。
インクジェット印刷とはオンデマンド印刷の一種になります。
オンデマンド印刷とは版を必要としない印刷方法なので、デジタルデータさえあれば1枚からでも簡単に印刷することができます。
背景幕では1枚あるいは数枚の印刷が一般的となるので、オンデマンド印刷つまりはインクジェット印刷が適しているといえます。
自由なデザインの背景幕が作れる
2つ目は自由なデザインを印刷できることです。
インクジェット印刷では、パソコンで製作したデジタルデータをそのまま印刷することができます。(※色や細かいディティールの再現は機械によって異なります)
手書きはもちろん、印刷方法によってはグラデーションや写真の表現が難しいことがありますが、インクジェット印刷ではそのような心配はありません。
インクジェット印刷では好きなデザインの背景幕を製作することができるのです。
大判サイズが対応できる
3つ目は大判サイズが対応できることです。
どの程度のサイズまで対応できるかは機械によって異なりますが、当社では最大5メートル幅までの生地を印刷できます。(インクジェット印刷の最大生地幅は5メートルです)
※最大印刷幅は若干内側になります。
では5メートル幅以上の背景幕はどのように製作するのでしょうか。
当社の製作事例でご説明します。
こちらの中央の背景幕はサイズがw8,550mm×h7,950となります。
幅が5メートル以上なので、1枚もので製作することはできません。
そのため、印刷した2枚の生地を真ん中で繋ぎ合わせています。
繋ぎ合わせてある位置は写真では全くわからないですよね。
まるで一枚の生地に印刷されているような仕上がりとなっています。
このように5メートル以上の大判サイズでも、問題なく対応できるのです。
背景幕のように印刷枚数が少なく、自由なデザインや大判サイズが対応している印刷方法といえば、やはりインクジェット印刷の一択となるでしょう。
つづいて背景幕に使われる生地をご紹介します。
【ターポリン】
まずはターポリンです。
ターポリンは、ポリエステルの繊維を合成樹脂フィルムで加工した、強度の高いビニール系のシートです。
耐久性が高いので、屋外で使う横断幕や懸垂幕でも使われる生地になります。
ターポリンは幅5メートルの大判サイズが対応できるほか、発色が良く汚れにくい、価格が安いなどメリットがあります。
※最大印刷幅は若干内側になります。
一方で、デメリットは重さがあるので設置や持ち運びが重労働になることです。
重さが気になる場合はこのあとご紹介するトロマットやキャンバスを使用すると良いでしょう。
【トロマット】
2つ目はトロマットです。
トロマットはポリエステル素材の布生地です。
カットしてもほつれがでないので、印刷後の出荷がスムーズに行えるほか、現場で急なサイズ変更をする場合でもカッターやハサミで切ることができます。
また垂らして使用しても左右がカールすることがないため、垂れ幕にもよく使用されます。
トロマットもターポリンと同様に、幅5メートルまで対応している大判サイズの生地です
※最大印刷幅は若干内側になります。
【キャンバス】
3つ目はキャンバスです。
キャンバスはトロマットと同じポリエステル素材の布生地で、幅5メートルの大判サイズの生地です。
※最大印刷幅は若干内側になります。
キャンバスの最大の特徴は表面の質感になります。
キャンバスの表面は、絵画に使われるキャンバス地のようにザラっとしています。
また光沢感を抑えていて光を反射しないため、照明が当たることの多い背景幕に使用するには適しているといえます。
【FFシート】
4つ目はFFシートです。
FFシートはターポリンと同じくビニール系素材となり、生地は硬めで耐久性も高くなります。
内照用看板に使用されることを目的とした生地のため、舞台上でバックライトを使用する場合に適した生地といえます。
では次に背景幕の加工をご紹介します。
袋加工
1つ目は袋加工です。
袋加工は生地の上下または上のみを、縫製やウェルダー等で袋状に加工することです。
袋状にした部分にはパイプなどを通して使用します。
ハトメ加工
2つ目はハトメ加工です。
ハトメ加工は紐やインシュロックなどを通す穴として、ハトメを打ち付けます。
ハトメの色はシルバーやゴールド、黒、透明があり、サイズ展開もあるので用途にあったハトメを選びましょう。
繋ぎ加工
3つ目は繋ぎ加工です。
製作事例でもご紹介しましたが、生地の幅を超えたサイズにする場合は繋ぎ加工になります。
ターポリンなどのビニール系は熱で溶着するウェルダーを使用し、トロマットなどのポリエステル系は縫製によって加工します。
繋ぐ位置に文字や絵柄がある場合は、ズレないように慎重な作業が求められます。

FFシートの繋ぎ加工(ウェルダー加工)

キャンバスの繋ぎ加工(縫製繋ぎ加工)
つづいて背景幕を作成するときの注意点をみていきましょう。
背景幕を作成するときの注意点
背景幕を作成するときの注意点は、まず生地えらびです。
背景幕のようにライティングして使用する場合、生地によって透け感や色の発色が大きく異なります。
透け感や色の発色によっては、背景幕を使用する会場の雰囲気が大きく変わることもあるでしょう。
そのため背景幕を作るときは、事前にサンプルを作成して確認することが大切です。
そしてこのサンプル作成では、全体縮小とは別に、一部分を原寸サイズにして作成してみてください。
全体縮小では全体の雰囲気は何となくわかるのですが、目の錯覚で色が濃く見えたり、生地の透け感はわかりにくいものです。
原寸サイズのサンプルで確認しておくことで、実際の色の発色や生地の透け感も確認しやすくなります。
つぎに注意するのは重さです。
背景幕のような大判サイズの場合、想定外の重さになる場合があります。
例えば5m×10mの背景幕をターポリンで製作すると、重さは25kgです。
(ターポリンの重さは約500g/1㎡)
通常は筒状にして梱包されますが、それでも一人で持つのは大変な作業になります。
運搬や設置の人員、設置する場所の耐久が足りているか確認する必要もあるでしょう。
背景幕がどの程度の重さになるか、事前に確認しておくと安心ですね。
最後に背景幕によくあるご質問をご紹介します。
背景幕によくあるご質問
背景幕によくあるご質問をご紹介します。
Q 生地サンプルはありますか?
A はい、ご用意があります。当社では無料にてお渡ししておりますので、お気軽にご連絡ください。
Q オリジナルの形状にカットはできますか?
A はい、可能です。データ上でカットラインを作成の上、入稿してください。
Q 分割しない場合の最大サイズはどれくらいですか?
A 5m幅の生地を使用して、5m×20mとなります。
※最大印刷幅は若干内側になります。
Q 色校正はできますか?
A はい、可能です。色見本などあれば事前にお送りください。
Q 背景幕用のスタンドはありますか?
A 大型バナースタンドの取扱いがあるのでご確認ください。
大型バナースタンドの詳細はこちら>
オリジナルの背景幕を製作しよう!
背景幕にはインクジェット印刷を使うことで、1枚からでも簡単に製作できることがわかりました。
背景幕に使う生地にはターポリンをはじめ、トロマットやキャンバス、FFシートがあり、それぞれの特徴をお伝えしました。
加工は袋加工やハトメ加工、大判サイズ用の繋ぎ加工を施すことによって、用途にあった背景幕が製作できます。
また背景幕は事前にサンプルを作成して、生地の透け感や色の発色を確認しておくことも大切です。
オリジナルの背景幕を製作しようと思っている方、背景幕を作り直したい方もぜひ参考にしてみてください!
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