Italian Caffe Osteria FELICE GALLERIA(フェリーチェ ガレリア)
ウィンドウサイン|w9518×h1745|透明塩ビタック22分割(上下2分割 / 左右11分割)他
インタビューブログ第2弾は、サインアーテック本社工場のすぐお隣、日高市にあるイタリアン・レストラン「フェリーチェ ガレリア」オーナーのtaka様に、お店への想いと理想のレストランについて語っていただきました!
プロフィール
takaさま 1979年11月25日生まれ 神奈川県厚木市出身
Italian Caffe Osteria FELICE GALLERIA オーナー
【経歴】
- 2002
- さいたま市浦和区某有名イタリアンリストランテにて修行開始し副料理長に就く
- 2008
- さいたま市緑区フレンチレストランに引き抜かれる
- 2014
- 独立開業し。出張シェフ、移動販売コンサルタント、レシピプロデューサーなど
- 2022
- Italian Caffe Osteria FELICE GALLERIA(フェリーチェ ガレリア)開業
【My Favorite Things】
- 事業理念-
- 一期一会
- 尊敬する人物
- 坂本龍馬
- 好きな言葉
- 想い愛
なぜシェフを目指したのか?
よみがえってきた記憶
- サインアーテック(以下、SA)
- 本日はよろしくお願いいたします。まずは、料理人を目指すようになったきっかけを教えていただけませんか?
- taka氏
- よろしくお願いいたします。そうですね。実は料理には興味がなかったですし、特に好きというわけでもなかったんです。当時付き合っていて亡くなってしまった彼女がきっかけでした。
- 私は20歳くらいでした。彼女は重たい病気を患っていました。「彼女の笑顔を見れるように、どのような料理が身体に良いのか?」いろいろと調べて料理を作るようになりました。
- 彼女が亡くなった後、「全て忘れて自分のことを誰も知らない街へ行こう」と失意のうちにその街を離れました。たどり着いたある街で少し興味のあった花屋さんに勤め始め、フラワーアレンジメントやブライダルブーケなどを作っていました。
- その花屋のオーナーは某有名ホテルの元料理長の方でした。ある日カフェと併設した花屋を作るということで、その立ち上げの手伝いでまかない料理などを作っているうちに、「どのような料理が身体に良いのか?」考えながら料理を作っていた当時の想いがよみがえってきたんです。
- 「自分のやりたい道はコレだ」と確信しました。23歳の時です。オーナーから料理を極めるために必要な様々なことを学んでいくうちに、「イタリアンならイタリアンの店に、フレンチならフレンチの店に、キッチリ入って修行した方が良いよ」との助言を頂きました。
- 当時は料理人の募集などがそれほどなかったため、自分の足と舌を使って様々な店を食べ歩き、探し当てた本場のイタリア料理店に赴き、「未経験だが修行させてほしい」と直談判しました。「ヤル気があるならいつでも良いからおいでよ」と言っていただき、これがその後続く本格的な長い修業の始まりとなったのです。
イタリア料理人として独立
taka氏自らドラム缶を改造して製作された店内の洗面所。モールやヘッドランプなども全てお手製!
- SA
- キッカケは悲しい事ですが、そこから運命的な出会いが始まっているんですね。
- taka氏
- そうですね。「人とのつながりを大事にしたい」というのが、私のお店のテーマと言えると思います。イタリアンで6年。その後は某有名フレンチ料理店で再び修行をイチから始め、これからの料理の道を模索していました。フレンチ料理店の修行では、「いかに自分の技術が未熟だったのか」思い知らされる事になります。包丁さばき、火の入れ方など、料理の技術に関する細やかな心配りを学び、この時の修行が今の自分の技術のベースとなっています。
- 長い修行を経て、36歳の時に独立しました。とはいえ、店を出すためにはまず軍資金が必要です。そこでティラミスやレアチーズを使用したイタリアンに特化したクレープのキッチンカーを始めました。
- キッチンカーは事業化してある程度スタッフに任せ、自分はキッチンカーを出店したい方のためのコンサルタントとしてセミナーを開いたり、同時並行で出張シェフもしていました。これらは自らやりたいというよりは、「人との縁を大事にしたい」から、自然とやっていたという感じですね。
- SA
- (店内を見回して)この店内の至るところに飾ってあるワーゲンバスのミニカーなどから推測すると、キッチンカーはこのバスを改造したものだったのでしょうか?
- taka氏
- そうなんです!このワーゲンバスでキッチンカーを展開していたんですよ。
理想のライフスタイルとしての店舗
- SA
- この日高市という地に開店するに至ったいきさつを教えてください。
- taka氏
- 自分がオーナーとして店舗を開くとしたら「どういった場所に開きたいか?」というのはあらかじめ決めていて、それは「住宅地」でした。自分がその街の住人となって、その街で店舗を開くというのがライフスタイルとしての完成形だったんです。不特定多数のお客様が来店するというよりは、顔なじみの常連さんが気楽に立ち寄れるお店、人とのつながりを重視したいという思いからです。
- ここ日高市に決める前に、埼玉県加須市の古民家をリノベーションした物件も候補にはなっていました。ただ、使用されている梁など当時の古い木材から樹脂が染み出していて。カフェ程度の簡単な厨房なら可能なのですが、本格的な厨房で常時火気のある設備は引火してしまう危険性が高く、防火設備に費用が掛かり過ぎることもあり断念しました。
- 加須市の古民家と同時進行で、ここ日高市の住宅地もずっと気になってはいて、Google Mapでもくまなくチェックしていました。街並み、広い道路、店舗の門構えも申し分なく、住宅も大体3,000世帯くらいと私が描いていた理想に最も近い街でした。まさに「運命的な出会い」だったのです。
- それと、以前料理の修行のためにイタリアに滞在していた事があって、観光的なことは全くしませんでしたがイタリアのフィレンツェを拠点に西海岸(ラ・スペツィア、リヴォルノ、リヴァージ、サントノーレ、ポーネ、ジェノヴァなど)まで都度足を運び、魚介などの食材を見学しに行ったりというようなことをしていました。気候的には穏やかな地中海性気候で雨も少なく、常に陽だまりに包まれていて、ご近所の方みんなが家族のような。
- ここ日高にはもちろん海はないですけど、そんな風土というかフィーリングを感じたんです。どうしても空が近いところが良かったので、高い建物がないというのは理想的でした。ここは市の条例の規制で高い建物を建ててはいけない地区らしいんですよ。
ウィンドウサイン施行前の店舗外観。店舗正面の広いガラス面は、ほぼ開業時のままの状態。
- SA
- この店舗を改装する前の内装はどういった状態だったのでしょうか?
- taka氏
- 以前はパン屋さんだったのですが、当時はこのレンガの壁面は全て塞がっていたんです。現在厨房になっている区画でパンを焼いて、焼いたパンをワゴンに載せて、店内にパンを陳列するだけだったので、ココが開口している必要はなかったんです。以前のパン屋さんの時のオーナーにご来店いただいたときは驚かれていました。
- 厨房からの料理の受け渡しのため、この壁を開口したわけですが、開口してみて初めて気づいたのが、「ドルチェのショウケースに西日が差し込んでしまう問題」でした。
当初最大の課題点だったドルチェのショウケース
向かって右上の天窓と、レンガの壁を開口して設置した左下のショウケースの位置関係
スリガラス効果がもたらした課題解決方法とは?
- SA
- 西日がショウケースに差し込んでしまう問題を、もう少し具体的に教えていただけませんか?
- taka氏
- はい。建物中央上部にある天窓から差し込む西日で、想像以上に温度が上がってしまう事でした。ドルチェを保管しているショウケースには、直射日光というほどではないですが陽が当たって、ドルチェ表面から水分が失われてスグに干からびたようになってしまうんです。
- 遮るわけにもいかないけど、店内にイタリアの西海岸を思わせる暖かい陽射しは取り入れたい。でもこのままでは大切なドルチェが干からびてしまう。
- ドルチェが干からびないようにブラインドを取り付けたとしても、毎回あの高さまではしごをかけて登り、開けたり閉めたりを毎回繰り返すのか…
このように考えたときに、一体どうすれば良いのか全然見当もつかずにいたんです。 - SA
- 私たちがたまたま「近所に新しくイタリアンレストランができたらしい」と知り、ランチをしにお邪魔したのが丁度そんな時期だったというわけですね。
- taka氏
- そうなんです!まだオープンしたばかりで、通りに面した大きい窓があるのに殺風景な状態でした。
かつては2階の天窓から強烈な西日が差し込んでいた(写真は施行後)。
- SA
- そこで、弊社からご提案させていただいたのが、「ステンドグラス風に印刷したフォグラス【※脚注1】シートを貼り込む」という解決方法だったのですが、 施工の結果は如何でしたか?
- taka氏
- 季節が進むにつれて、陽の差す角度が日に日に変化していることはわかっていたのですが、シートを貼ってから光が屈折して当たる場所が変わったようなのです。一番当たってほしくないところからはズレてくれるので、効果は絶大です!
- 確かに真夏などは暑いのは当たり前ではありますが、オープン前の2021年の年末~2月にかけての真冬でも、厨房の中は冷房を入れないと暑いくらいまで室温が上がってしまうんです。
- シートを貼ったおかげで西日自体もだいぶ和らぎ、以前のように干からびてしまうという事はなくなりました。
- SA
- なるほどー。室温も上がらなくなったという事でしょうか?
- taka氏
- はい。明らかに上がらなくなりましたね。【※脚注2】一番の懸念点は解決しました。そこまで深刻な影響はなくなったんです。サインアーテックさんがランチを食べに来られたというのも、まさに「運命的な出会い」だったわけです(笑)
- SA
- そう言っていただけると大変光栄です!
脚注
- 脚注1
- 透明のガラスに貼るだけでスリガラスのような仕上がりになるシート。様々なグラデーションやデザインパターンが揃っている。
- 脚注2
- メーカーによる温度に関するエビデンスは確認されていません。あくまでもオーナー個人の感想です。
透明塩ビタックでショウウィンドウ効果
- SA
- 当初は天窓の対策がメインでしたが、その他にも通りに面したウィンドウ全面にも透明塩ビタックを設置いただきました。こちらも施工されようとご決断された経緯を教えていただけませんか?
- taka氏
- 御社の営業と制作の方との打ち合わせの時、「この広い窓ガラスに何もないのはもったいないので、何か宣伝効果のあるものがあっても良いかな?」というお話になりまして。「試しにウィンドウサインのデザインを作ってみましょうか?」とご提案いただきました。
- (ドルチェのショウケースがある)レンガの壁が外からよく見えるというのが一番の優先事項だったので、店内の様子が良く見える白の線画でとお願いしました。
- 店内の黒板にもチョークアートのメニューが飾ってあるので、似たようなテイストがレイヤーのように重なるようなデザインにしていただきました。
- 店舗正面のウィンドウ全面をデザインされた透明塩ビタックを設置することでも陽射しが柔らいだ感じがします。
今回はデザイン制作もご提案しました。
心なしか幾分光が柔らいでいる印象はあります。
【ここがポイント】
天窓だけでなく、この広いガラス面に白インクでデザインされた透明塩ビタックを貼ることでも、太陽の熱を抑える効果があったと思います。
陽射しが直接差し込んでいた時と比べて、光が屈折するというか角度が変わるんですよ!
- SA
- それは本当ですか?
- taka氏
- 本当なんです!陽射しの角度が変わるんですよ。自分が当たって欲しくないと思っていたところからズレてくれるので、効果は絶大【※脚注3】ですね。
- まだオープンする前の年末から1月にかけて厨房で作業していたのですが、ここは冬場でも冷房かけないと暑いくらいだったんですよ。朝は寒くて暖房を入れるのですが、日が昇ってくる時間になるともう半袖でないとムリで。
- 昼に温まった熱がそのまま夜まで残っているので、暖房なしで営業してできちゃうくらい暑いんですよ。もしかしたら、壁に断熱材が入っているのかもしれませんね。
- それと、透明のウィンドウサインは、昼と夜、外と内で、日光と照明の影響を受けて印象が変化するのが面白いですよね。
粘着面に少量の中性洗剤を混ぜた水を塗布します。
中の気泡を追い出して丁寧に貼っていきます。
最後に余分なシートはカットします。
十分に気泡を追い出すには、かなりの力が必要です。
超高透明塩ビは仕上がりが非常にシビアなシートです。
施工後24時間は窓の開閉は控えてください。
【完成】日中と夜間で異なる表情を見せる店舗外観
- SA
- 設置後のお客様の反応は如何でしたか?
- taka氏
- デザインの中に電話番号やテイクアウトも可能という内容が前面に出ているので、店内に顔を出していろいろ聞いていただける機会なども増えてきて、お店の認知も増えてきていると感じます。
エントランス(閉店時)
エントランス(開店時)
- SA
- この店舗の外壁のブルーは、オーナー自ら刷毛を持ってペンキを塗られたそうですが、これから店舗を盛り上げていく上で、内装をアップデートしていく計画などはありますか?
- taka氏
- オープン時にはできなかったのですが、この店内の吹き抜けを活用した2階化計画を考えているところです。
- この街は、皆さんの帰省地(子供の頃をこの街で過ごして、独立後に帰省しに帰ってくる場所)であることが多いので、ゴールデンウィークやお盆など席が満卓で入れない状況が続いてしまって。暑い中、外で待っていただくというのも申し訳ない思いでいました。
- 店内空間の両脇にらせん階段を設置して上に登れるようにして、特別なお部屋としてご提供する構想を持っています。
- SA
- また、お店を改装される時は是非ご相談ください!最後に、これから訪れる方へのメッセージをお願いいたします。
- taka氏
- はい。料理が美味しいということは当たり前ですが、それプラスアルファとして、ウチの若いスタッフはみんなそれぞれに夢を持って取り組んでいる人たちで、一度ご来店いただいたお客様に「あのスタッフがいるから、行こうかな」とスタッフ全員と仲良くなっていただけるお店を目指しています。是非、遊びにいらしてください!
- SA
- 本日はお時間いただきまして、誠にありがとうございました!
脚注
- 脚注3
- 温度を下げる効果同様、陽射しの角度が変わるというエビデンスも確認されていません。あくまでもオーナー様個人の感想となります。
【編集後記】
今回は、たまたまランチに出かけたお店での偶然の出会いから始まったお仕事でした。
広い面がガラスで覆われている建て付けであれば、透明塩ビタックでデザインを施すことによって、まるで街中のショウウィンドウのような効果を期待することも可能です。
プライベートでディナーにお邪魔した際にいただいた、自家製サルシッチャ(腸詰め)は特にオススメです!
オーナーとスタッフさんの気さくな人柄と、イタリア西海岸を感じさせる料理と空気感を体験しに、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか?
Interview & Text
K.Maruyama
東京造形大学 デザイン学科卒。印刷関連会社、IT関連会社などを経て、2017年(株)サインアーテック入社。
サインアーテックでは、印刷・施工などご注文いただいたお客さまを対象に、当ブログに掲載可能な制作事例案件を募集しております。詳しくはこちらのフォームよりお問い合わせください。
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